ついに FileMaker 2023 が発売されました。
FileMaker Pro だけでなく、もちろん、FileMaker Server にも多数の機能が追加されています。
今回は、FileMaker Server のログに関する機能追加について見ていきたいと思います。
FileMaker Server 2023 では、以下2つのログが追加されました。
- 「scriptEvent.log」
- 「FMSEScriptErrors.log」
まずは、 1.「scriptEvent.log」 について確認していきます。
1.「scriptEvent.log」
「scriptEvent.log」について、FileMaker Server 2023 のリリースノートでは
以下のように記載されています。
FileMaker Server では「Event.log」ファイルではなく「scriptEvent.log」ログファイルを作成してスクリプトイベントを保存するようになりました。「scriptEvent.log」ファイルはログビューアに表示され、Admin Console でダウンロードできます。fmsadmin コマンドラインを使用して以前の「Event.log」にスクリプトイベントを保存する動作に戻すことができます。
FileMaker Server リリースノート, https://help.claris.com/ja/server-release-notes/content/index.html
FileMaker Server 19.6.3 までと、FileMaker Server 2023 ではどのように動作が変わったのでしょうか。
実際に比較していきたいと思います。
●FileMaker Server 19.6.3 までの動作
FileMaker Server 19.6.3 までは、FileMaker Server のスクリプトスケジュールでスクリプトを実行した場合や、
FileMaker Pro の [サーバー上でスクリプト実行] スクリプトステップを実行した場合、
スクリプトのエラーが「Event.log」に記録されます。
●FileMaker Server 2023 でのデフォルトの動作
FileMaker Server 2023 では、サーバー上でスクリプトを実行した場合に、
スクリプトのエラーについて「Event.log」には記載されません。
「scriptEvent.log」というログが作成され、スクリプトのエラーについては、
「Event.log」に記載される代わりに、「scriptEvent.log」に記載されます。
また、「scriptEvent.log」は他の各種ログと同様に、FileMaker Server Admin Console 上の
「ログビューア」からログに記載されている内容を確認することができます。
まとめ
FileMaker Server 19.6.3 までは、データベースエンジンの起動や停止等、
FileMaker Server の動作に関連する情報だけでなく、
サーバー上でスクリプトを実行した際のスクリプトのエラーについても
「Event.log」に記載されていました。
そのため、監視ツール等で「Event.log」を扱う際、
スクリプトのエラーの記載への対応に苦労された方もいるかと思います。
FileMaker Server 2023 のデフォルトの動作では、
スクリプトのエラーは「scriptEvent.log」に記載されます。
これにより、「Event.log」を扱う際にスクリプトのエラーの記載を考慮する必要が無くなりました。
あまり目立たない機能追加かもしれませんが、このような細かいところを
改善してもらえるのはありがたいですね。
次回は、FileMaker Server 2023 で追加されたもう1つのログ、
2. 「FMSEScriptErrors.log」 について見ていきたいと思います。
補足
※リリースノートに記載がある通り、fmsadmin コマンドラインを使用することで
FileMaker Server 2023 においても、FileMaker Server 19.6.3 までと同じ動作になるよう設定が可能です。
FileMaker Server 19.6.3 までと同じ動作になるよう設定する際は、以下のコマンドを実行します。
fmsadmin set serverprefs ScriptLogToEventLog=trueコマンド実行後、FileMaker Server を再起動してください。
