こんにちは、株式会社ジェネコム 代表の高岡です。
先日、クリニカルパス学会 学術集会 へ参加してきましたので、簡単にレポートします。
1年を通して、春や秋になると、学会のシーズンの到来です。多くの学会が学術集会(学術大会)を開催する季節です。
そのひとつで、2022年11月11日〜12日に岐阜の長良川のほとりで『第22回 日本クリニカルパス学会学術集会』というイベントがあります。
当社ジェネコムは、こちらの学術集会に企業展示という形で参加してきました。
会場はこちらの「長良川国際会議場」です。
そもそも
『クリニカルパスってなんなの?』
ということなのですが、クリニカルパスを簡単にいうと・・・
まずは「クリティカルパス」という単語があります。ITのお仕事をされている方であれば教育の過程で聞いたことがあると思いますが、ご存じ無い方もいらっしゃると思いますので、クリティカルパスについてザックリ解説します。
プロジェクト管理、工程管理、OR(オペレーションズ・リサーチ)では、業務などのタスクを明らかにして個々のタスクにかかる時間や複数のタスクの関連性、依存性を明らかにする必要があります。これができていないと、前のタスク(工程)が終わってないから次のタスクが実施できないといったことが突然判明したり、結局どれくらいの時間がかかるのか分からなくなってしまうようなことがあります。
前述のような事が発生しないように、最初のタスクから最後のタスクが完了するまでに、各タスクにかかる時間やタスクの流れ(経路)を明らかにして、いちばん時間のかかる流れのことをクリティカルパスと呼びます。
また、クリティカルパスを明らかにする段階で、タスクの依存関係も見つけることができます。その依存関係のなかで、「このタスクが遅れると、全体に大きな影響がでるかも」という重要タスクも発見することができますので、それら重要なタスクへの対応なども事前に考えておくことが可能になります(という考え方もあります)。
病院では、お医者さんだけではなく、色々な職種の方たちが、チーム一丸となって患者さんへの治療を行います。
その時に、最も効果が期待できる治療の計画を明確にしたものが『クリニカルパス』となるのだそうです。
クリニカルパスを意識することで、患者さんの状態と診療、治療の目標が計画からズレていないかを検証することができる(と思います)ので、医療現場における目標管理ツールということなのだと私は理解しています。
なので、医療者用のクリニカルパス、患者さん用のクリニカルパス、そのほか事務系業務用のクリニカルパスなどもあるのだと思います。
関連する言葉として「バリアンス」や「アウトカム」というものがあるのですが、興味があれば是非ググってみて下さい。
そして、その『クリニカルパス』に関する取り組みや成果、研究、関連情報の発表が行われるのが「クリニカルパス学会 学術集会」で、その学会の企業展示コーナーに出展してきました・・・というお話です。
前置きが長くてすみません。
今回ジェネコムでは、生殖補助医療(不妊治療)に関するシステムの展示を行いました。
ひとくちに医療といっても多くの専門分野があるのですが、クリニカルパスという面から検討して、患者さんの来院から治療の計画、その管理などもできるシステムとして展示してきました。
※医療業界の皆さま、ご興味がありましたら、ジェネコムのWebサイトからご連絡くださればデモンストレーションも可能ですので、お問い合わせ下さい。
ジェネコムが開発をしたシステムのほとんどは、Claris FileMaker Pro をベースにしています。そのままでも使えますし、病院ごとに柔軟にカスタマイズも可能です。Claris FileMaker Pro はローコード開発が可能な開発ツールですので、難しいプログラミングをせずにカスタマイズができるという面が大きなメリットです。
クリニカルパスには色々な業務で標準的なパスはありますが、病院ごとに実際のパスには違いがあるようです。システムを導入する時に、せっかく作り上げたパスの流れと導入したシステムの流れが合わないということでは困ってしまいます。
Claris FileMaker Pro では、前述のとおり柔軟にローコードでカスタマイズができますので、安心して導入の検討をして頂けると思います。
実は、展示会場で評判が良かったのは、もうひとつ・・・提案の展示をしました。
Claris さんでは『Claris FileMaker 業種別サンプル App 集』というサイトを公開されていて、そこにはすぐに使えそうな カスタムApp が多数公開されています。
その中には当社ジェネコムが提供している医療機関向け カスタムApp もあるのですが、会場では医療従事者名簿、病床管理、FIM や Barthel Index などの機能評価といった、すぐに使える カスタムApp を組み合わせて、『すばやく確実に効果を得ましょう』といった提案なども行っておりました。
どちらかというと、完成したシステムよりもクリニカルパスのアイデアを探されているご来場者の皆さんにとっては、こういった業務改善のご提案の方が感心度は高かったようです。
分かってはいたのですが、やはりそうか・・・と反省です。
我々のニーズと現場のニーズは違うということを改めて認識しました。
しかし、こういう経験も大事です。
ニーズのある場所に飛び込むことで、見えてくることも多くあります。
そう言う面で、今回の「クリニカルパス学会 学術集会」への企業展示は成功だったと締めくくります。