5月23日に、日本でも FileMaker 2023 が発売されました。
FileMaker Pro だけでなく、もちろん、FileMaker Server にも多数の機能が追加されています。
FileMaker Server 2023 では、以下2つのログが追加されました。
- 「scriptEvent.log」
- 「FMSEScriptErrors.log」
ここでは、 2.「FMSEScriptErrors.log」 について確認していきます。
2.「FMSEScriptErrors.log」
「FMSEScriptErrors.log」について、FileMaker Server 2023 のリリースノートでは
以下のように記載されています。
FileMaker Server で実行されるスクリプトで [エラーログ設定] スクリプトステップがサポートされるようになりました。
FileMaker Server リリースノート, https://help.claris.com/ja/server-release-notes/content/index.html
FileMaker Server 19.6.3 までと、FileMaker Server 2023 ではどのように動作が変わったのでしょうか。
実際に比較していきたいと思います。
●FileMaker Server 19.6.3 までの動作
FileMaker Server のスクリプトスケジュールでスクリプトを実行する場合や、
FileMaker Pro の [サーバー上でスクリプト実行] スクリプトステップを実行する場合、
[エラーログ設定] スクリプトステップは、サポートされていませんでした。
そのため、FileMaker Server 上で実行するスクリプトにて、[エラーログ設定] スクリプトステップを実行した場合、
FileMaker Server の「Event.log」に「スクリプトエラー (3)」が記録されます。
※「スクリプトエラー (3)」は、「エラーコード 3 コマンドが使用できません (たとえば誤ったオペレーティングシステムや誤ったモードなど)」を示すエラーです。
●FileMaker Server 2023 でのデフォルトの動作
FileMaker Server 2023 の場合でも、インストール直後のデフォルトの設定状態では、
FileMaker Server 上で実行するスクリプトにて [エラーログ設定] スクリプトステップを使用することはできません。
FileMaker Server 上で実行するスクリプトにて、[エラーログ設定] スクリプトステップを実行した場合は、
FileMaker Server の「scriptEvent.log」に「スクリプトエラー (3)」が記録されます。
●FileMaker Server 2023 で [スクリプトエラーログを許可] を「有効」にした場合の動作
FileMaker Server 2023 では、FileMaker Server Admin Console 上の [ログ] > [ログ設定] タブに、
[スクリプトエラーログを許可] という項目が追加されています。
[スクリプトエラーログを許可] を「有効」にすることにより、
FileMaker Server 上で実行するスクリプト内で、[エラーログ設定] スクリプトステップが使用可能になります。
[スクリプトエラーログを許可] を「有効」にし、
FileMaker Server 上で実行するスクリプト内で、[エラーログ設定] スクリプトステップを実行すると、
「FMSEScriptErrors.log」というログが作成されます。
「FMSEScriptErrors.log」には [エラーログ設定] スクリプトステップによって、
スクリプト内で発生したエラーに関する情報が記載されます。
※[エラーログ設定] スクリプトステップの使い方やログに記載される情報の詳細は、
「Claris Pro および FileMaker Pro ヘルプ」内、 「エラーログ設定 」をご参照ください。
まとめ
FileMaker Server 19.6.3 までは、FileMaker Server 上で実行するスクリプト内で
[エラーログ設定] スクリプトステップを使用することはできませんでした。
FileMaker Server 2023 でも、デフォルトの設定では FileMaker Server 上で実行するスクリプト内で
[エラーログ設定] スクリプトステップを使用することはできません。
FileMaker Server Admin Console 上の設定を変更することによって、FileMaker Server 上で実行するスクリプト内で
[エラーログ設定] スクリプトステップが使用できるようになります。
作成された「FMSEScriptErrors.log」を活用することで、
FileMaker Server 上で実行するスクリプトで何か問題が発生した場合に、
問題解決に繋がる多くの手がかりを得ることができます。
また、本来の用途とは異なるかもしれませんが、
[エラーログ設定] スクリプトステップの [カスタムデバッグ情報] オプションと
[OnWindowTransaction] スクリプトトリガから取得できる情報を組み合わせることで、
レコードの操作ログを記録するといった使い方もできるかもしれません。
みなさんもぜひ「FMSEScriptErrors.log」を活用してみてください。