こんにちは、株式会社ジェネコム 代表の高岡です。
岐阜の学会に引き続き、札幌で開催された「日本医療情報学会学術大会」へ参加してきましたので、簡単にレポートします。
11月は2週連続で学会へ参加です。
前回のクリニカルパス学会は企業展示という形で参加をしてきましたが、今回は完全に勉強のための参加です。
会場は、北海道の札幌。
羽田からだと大体1時間半で新千歳空港に着き、そこから電車移動30分ほどで札幌に到着するため、遠いという感じはしませんでした。
さて、日本医療情報学会学術大会ですが、医療情報、医療にかかわる情報処理に関する取り組みや、研究、実績、成果などの講演や展示が行われます。
私は病院のお仕事をするにあたって、病院の皆さんと会話のキャッチボールができる様に医療情報に関する最低限の知識を得るため、医療情報技師という資格を勉強し、取得しました。
ちなみに当社ジェネコムでは、医療関係のシステム開発を行うスタッフは医療情報技師の資格を取得しています。
この医療情報技師の資格を発給しているのが、日本医療情報学会なのですね。
医療情報技師の資格は、有効期間内にポイントを貯めないと更新ができません。そこで、こうした学術集会に参加することで参加ポイントを積み重ねて行きます。
前週のクリニカルパス学会学術集会では、同時開催で「日本ユーザーメード医療IT研究会(通称:J-SUMMITS)」の「第13回J-SUMMITS全国集会」もあり、そちらに参加することでも医療情報技師のポイント申請ができました。
さて本題ですが、今回の学会参加は、前述の通り勉強が目的です。
普通に仕事しているだけの毎日であれば、私の仕事とは掠(かす)りもしない様なお話も聞くことができました。
日本医療情報学会学術大会では、私の専門分野であるITを絡めたお話しが多くあり、参加者も病院のIT担当者や、関連メーカーさんなども参加しています。
企業出展は IT関連企業が多く、電子カルテや周辺のサブシステムのソフトウェアのメーカーさん、医療機器メーカーさんなどなど、IT系の私が行っても企業展示は楽しかったです。
見て回ると色々と教えて下さるものの、私は導入の主体にはなれないので申し訳ないのですが、お客様が導入されているシステムもあるので、間接的にはお役に立てるかも知れないですね。そうなるように頑張ります。
学会には、日頃からお世話になっている先生方も参加していて、発表もされていました。
今回は、先生方にくっついて、電子カルテメーカーさんの展示ブースに行ってお話をうかがったり、先生方の発表を聴いたりなど、私にとっては、けっこう充実した学会でした。
今回、特にターゲットにしていたお話は、「RRSへの臨床現場への対応 〜病院情報システムを用いた診療補助の可能性〜」と「看護情報システム」のお話です。
RRS (迅速対応システム Rapid Response Systemの略)の話は、お世話になっている先生方の発表でもあり、楽しみにしていました。
ざっくり、私の理解をお話しすると・・・
患者さんの容体の急変が発生しそうなサインを見つけ、迅速対応を可能にするための仕組みについてです(と、IT屋さんとしては理解しました)。
その中で出てきたのが、EWSS(早期警戒スコアリングシステム Early Warning Score Systemの略)。RRS の対象患者さんについて、患者さんに関する様々な情報を集めることでモニタリング、スコア化することで容体急変の早期警戒をする仕組みです。
実際にどれ位の患者さんの命が救われているのかは聞き漏らしましたが、状態をスコア化していて、病状が悪くなりつつある患者さんをいち早く発見できれば、救命に繋がるのだろうと。そしてその仕組みをチームや ITでまわして行くのは、とてもすごいことだと思いました。
もうひとつの「看護情報システム」の発表ですが、これは患者さんの看護をされる看護師の皆さんやその業務をサポートする情報部門の皆さんの、IT技術を利用してどのように業務改善をしたのか、あるいは、しようとしているのかなど、複数の施設の方がそれぞれの問題解決のための取り組みついてお話しされました。
感想としては、看護師の皆さんが看護の時間を増やすためにどのように看護以外の業務時間を合理化し、短縮しようとしているのか、その取り組みがうかがえたのは、私にとってはとても良かったと思います。まだまだ我々がお手伝いできそうなことがありそうだと、再確認しました。
そして、次なるお楽しみはランチョンセミナー。
コロナ前に行われていた FileMaker カンファレンス では当社ジェネコムも協賛していましたが、学会の学術集会や展示会などでは、メーカーさん協賛のお弁当付きセミナーがあります。
ランチョンセミナーは整理券をもらって入るのですが、朝8時過ぎから配付が始まったりします。
人気のあるセミナーだと整理券がすぐに無くなってしまうのですが、今回は整理券をゲットすることができました。
ちなみに、前週のクリニカルパス学会学術集会ではタイミングを逸してしまい、ランチョンセミナーの整理券はゲットできませんでした。
お弁当は、こんな感じでした。
こんなお弁当を食べながら、セミナーに参加できてしまいます。
ランチョンセミナーがあるので、参加期間中はお昼を食べに会場の外に行く必要がなく、お昼の心配をしなくて良いのも嬉しいところです。
私が参加したランチョンセミナーですが、病院のサーバーを病院のローカルから AWS の Cloud 環境に移設したという『実例』についてのお話で、苦労したことやコスト、想定と違ったことなど、通常は出てこない、生々しいお話が聞けたのはとても参考になりました。
あとは、ポスター展示です。
ポスター会場で気になるポスターをスマホで写真に撮り、それを待ち時間や帰りの移動の時に読んだりします。
ポスターにもたくさんの情報があります。それを空いた時間に読めるのはとても助かります。
今回のポスターの会場はこのような感じで、写真と同じような掲示が何列もあり、日中の時間帯ではポスターの前で発表があったりしますので、直接お話を伺えるタイミングがあるのも嬉しいです。
学会の学術大会には、多くの皆さんの知識や経験が溢れています。
聴きたい講演やワークショップはたくさんあるものの、体はひとつなので、同じ時間帯に2つの会場には行けません。
なので、学会に行く目的というか自身の達成目標や、聴きたい講演をしっかり決めて行くことが大事なんだと思います。
今年の学会参加は今回が最後となりますが、持ち帰った課題は山積です。
ドンドン消化をして行けるように頑張ります。
なお、学会の学術集会では、学会員ではなくとも参加可能な場合が多いようです。もちろん、参加できない場合もあります。
前回のクリニカルパス学会学術集会、今回の日本医療情報学会学術大会も、事前にWebサイトから参加申込みをすることで、学会員ではない私でも参加することができました。参加費、渡航費等は少々かかりますが、得られるものは多いと思います。
ご興味が有りましたら、ぜひ一緒に勉強しに行きましょう!